四寺廻廊 善行を積む旅

出会いの旅へ 四寺廻廊 -みちのくの四大名刹をたずねて

 

平安時代に慈覚大師円仁が開いた中尊寺(平泉)、毛越寺(平泉)、瑞巌寺(松島)、立石寺(山寺)。この四つの寺を巡る旅を『四寺廻廊』と呼びます。
誰もが深い感動を覚える中尊寺金色堂、平安から奇跡的にその姿を残した浄土庭園の毛越寺、伊達政宗公の美意識を随所に感じられる瑞巌寺、長い石段を登った先に絶景が広がる立石寺。四寺にはそれぞれの趣があり、訪ねる人々を静かに受け入れています。
旅の始まりに決まりはなく、どこから始めても構いません。人々の苦しみや悩みを取り除いてくれる御本尊がそれぞれにお待ちしています。一カ寺、一カ寺、丁寧に歴史を訪ねながらたくさんの功徳を頂いてください。

芭蕉句
-芭蕉も巡った四寺廻廊
元禄2年(1689)俳聖・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅へと出発します。芭蕉にとって日本三景の松島を訪れることは旅の大きな目的でした。塩釜から舟で松島に入り、瑞巌寺を参拝します。芭蕉は松島での光景をあまりの感動にとても詠める心境ではなかったと「奥の細道」に記しています。そして次の目的地である平泉では、奥州藤原三代の栄華も一場の夢と消えたはかなさに涙します。ぜひにとすすめられ訪れた立石寺。苔の石段を登り清閑の中に心が澄み渡るのを感じた芭蕉はこの地でも世に名高い句を生みます。

中尊寺 金色堂へ 月見坂と呼ばれる参道は樹齢300年を超える杉の大木が続く。金色堂のhかにも、弁慶堂、地蔵堂、釈迦堂など多くのお堂が建ち並び諸堂廻りも味わいがある。参道の奥には萱葺きの美しい白山神社能舞台が静かに佇んでいる。100年の栄華の末、源義経の悲話ののちに滅亡した奥州藤原氏。芭蕉はその100年後に平泉を訪れ田野となった地を眺め落涙したのでした。 中尊寺ハス 泰衡の首桶から見つかり、800年の歳月を経て開花した中尊寺ハス。7月頃にその可憐な姿を見ることができる。奥州の平和を願った清衡-山田俊和貫首
中尊寺は嘉祥3年(850)慈覚大師によって開山されました。歴史的には大治元年(1126)に藤原清衡が関山に中尊寺を創建されました。清衡は前九年合戦から後三年合戦と続いた長い争いを終わらせ、人々の平和を願いました。そして大切なのは清衡が落慶供養で読み上げた「中尊寺建立供養願文」に書かれています。1つは鳥羽法皇の御願寺として創建すること。2つめは二階の鐘楼を建ててその鐘の音が大地を動かし遠くどこまでも響き、犠牲になった霊魂を浄土へ導き平和を与えたい。3つめは自分たちは蝦夷としてさげすまれているが、都と同様に仏像を刻み堂塔を建てさらに「紺紙金銀字交書一切経」をつくって後世に仏教を伝える。清衡はこの奥州の平和と幸福を願われました。
参拝されるときは急な月見坂を上がっていただかなければなりません。両側は300年を超える杉の大木があり、その先に本堂があります。現在のお堂は明治42年(1909)に創建されました。平成25年3月24日に新しく丈六の釈迦如来坐像が安置されています。そこから宝物がある讃衡蔵、一番大切な金色堂、国の重要文化財の白山神社能舞台へとゆっくりと参拝していただくといいと思います。四季を通じて春の燃えるような緑、夏のかんかん照りの日、秋の紅葉、冬の雪景色、どれをとってもとても美しいところです。どうぞ楽しみながらご参拝いただければありがたいです。

■関山 中尊寺  岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202/TEL 0191-46-2211 
 東北新幹線で東京駅~一ノ関駅まで最短1時間58分。乗り換えてJR東北本線平泉駅まで8分。
 平泉駅からは「平泉巡回バスるんるん」がおすすめ。ホームページ http://www.chusonji.or.jp/

毛越寺 この世の浄土、ここにあり 平泉の世界遺産は中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5カ所が構成資産だ。特に中尊寺金色堂と毛越寺の庭園は歴史的、芸術的に高く評価された。 遣水に盃を浮かべ和歌を詠む「曲水の宴」が毎年5月第4日曜日に開かれる。 2.荒磯を表現しているといわれる出島と立石 3.世界遺産の常行堂 4.毛越寺は花の寺と呼ばれ桜、あやめ、萩の他にも様々な植物が四季を彩る 5.本尊の薬師如来が安置されている本堂 6.水墨画のような景色をみせる冬の大泉が池浄土の庭園-藤里明久執事長
毛越寺の庭園は、日本庭園の原型ともいえる平安の作庭様式を今に伝えています。自然の景観と重厚美をうまく空間の中に取り込み、四季折々に変わる景色が庭園の魅力です。昔の方が造った庭園ですが、紅葉のとき、雪のとき、新緑のときなど、今でもその感性を感じることができます。
四寺廻廊は慈覚大師開基のお寺であり、また松尾芭蕉が訪ねたというお寺が集まりました。四寺を巡って慈覚大師のお寺の歴史を感じ、芭蕉の足跡を辿って時空を超え芭蕉を身近に感じていただけたらと思います。

■特別史跡・特別名勝 毛越寺  岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58/TEL 0191-46-2331 
 東北新幹線で東京駅~一ノ関駅まで最短1時間58分。乗り換えてJR東北本線平泉駅まで8分。
 平泉駅からは700m。ホームページ http://www.motsuji.or.jp/

1.本堂が大修理のため特別公開されている国宝の庫裡 2.陽徳院御霊堂(国重文) 3.本堂から大書院に移された本尊と政宗公の位牌 4.八重の花をつける臥龍梅 橋でつながる五大堂は、坂上田村麻呂が建立した毘沙門堂に円仁が大聖不動明王像を安置したことから五大堂とよばれるようになった。現在のお堂は正宗公が創建したもの。臥龍梅について-千葉洋一総務課長
臥龍梅(がりゅうばい)は政宗公が文禄2年(1593)に朝鮮から持ち帰り、慶長14年(1609) 瑞巌寺落慶の折政宗公が手植えされた梅です。樹齢400年の老木で、樹勢自体が弱り初めて剪定した際に残った枝を印材として四寺廻廊の御朱印が作られました。
現在は本堂が修理期間ですが、同じ時期に造られた特徴的な庫裡が公開されています。また、仮本堂に移されてある御本尊様、政宗公の御位牌も本堂では遠目にしか見られませんが、この期間は本当に間近に見られます。政宗公の正室の陽徳院御霊屋も改修中だけの公開です。3県にまたがった四寺廻廊は宗派も違う寺を巡る旅です。ぜひ慈覚大師、松尾芭蕉に思いを馳せていただければと思います。
※平成の大修理は平成20年11月~平成30年3月頃まで

■国宝 瑞巌寺  宮城県宮城郡松島町松島字町内91/TEL 022-354-2023 
 東北新幹線で東京駅~仙台駅まで最短1時間31分。乗り換えてJR仙石線松島海岸駅まで27分。
 松島海岸駅から徒歩5分。ホームページ http://www.zuiganji.or.jp/

山寺 1.石段を一段ずつ上ると煩悩が消えるという修行の霊場 2.名物の玉こんにゃくは力をつけるため上る前にいただこう 3.四寺廻廊の御朱印をつく清原住職 4.ブナ材の建造物として日本最古の根本中堂 5.絶壁の上にある納経堂は立石寺最古の建物 6.五大堂 7.五大堂からの眺め  開山時に比叡山延暦寺から分灯された不滅の法灯。その後の兵乱で焼失したが天文12年(1543)の根本中堂再建に再び分灯された。織田信長が延暦寺を焼き討ちしたときには、立石寺から分灯された。今日まで470年以上火を灯し続ける。山寺と円仁-清原正田住職
立石寺は貞観2年(860)に慈覚大師円仁様が御開基になったお寺です。ここには慈覚大師様のご遺骸が納められた入定窟があります。ほかにも慈覚大師様が延暦寺より不滅のご法灯を移したと伝えられ、ずっとご法灯をお守りしています。そのため慈覚大師円仁様と最も因縁が深い寺と言われています。
松尾芭蕉も大きな山の谷間にあるいくつもの御堂を全て回り「佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ(心が澄み渡るようであった)」と「奥の細道」に記しています。みなさんにもぜひ階段を上まであがってその雰囲気を味わっていただき、ゆっくり時間をかけてお参りいただければと思います。

■宝珠山 立石寺  山形県山形市山寺4456-1/TEL 023-695-2843 
 東北新幹線で東京駅~仙台駅まで最短1時間31分。乗り換えてJR仙山線山寺駅まで58分。
山寺駅から登山口まで400m。ホームページ http://www.rissyakuji.jp/

四寺廻廊御朱印帳と四寺廻廊写経

御朱印 写経
四寺廻廊の御朱印帳はどの寺でもお求めいただけます。瑞巌寺の名木・臥龍梅から作られた御朱印は、「佛・法・僧・寶」と印刻されており、四寺でそれぞれ一文字ずつ授かることができます。
御朱印はどのお寺から始めてもかまいません。全ての御朱印を集めると4つめの寺で結願の御印と記念品を授かることができます。(御朱印帳千円。最初の寺では御朱印が捺されています。あとの三カ寺は別途志納金三百円)

旅の宿やご自宅で写経ができる四寺廻廊一巻写経 般若心経もお求めいただけます。あらかじめ写経用紙に経文が薄刷されているので、筆ペンやボールペンで手軽に始められます。
写経は付属の封筒で四寺廻廊事務局に郵送すると納経の証として守り札が授与されます。また、四寺に直接持参しても結構です。心を落ち着かせて一字一句と向き合う時間はいかがでしょうか。(納経料一巻千円)

四寺廻廊を紹介する動画

テレビ番組 「平泉のススメ #31 〜四寺廻廊・前編〜 」2014/11/12放送
平泉の中尊寺・毛越寺、宮城県瑞巌寺、山形県立石寺を参拝し御朱印を頂く四寺廻廊の旅へ。まずは中尊寺と瑞巌寺を巡ります。


テレビ番組 「平泉のススメ #32 〜四寺廻廊・後編〜 」2014/11/19放送分
後編では山形・立石寺、平泉毛越寺を参拝し御朱印を頂きます。歴史を訪ねに、ぜひ一度参拝してみてはいかがですか?

車移動の目安

おおよその目安は車利用で、[平泉(中尊寺・毛越寺)→瑞巌寺 約90km]、[瑞巌寺→立石寺約100km]、[立石寺→平泉(中尊寺・毛越寺) 約140km] です。
四寺の地図

四寺廻廊公式ホームページはこちら


[取材 2014年10月/公開 2014年12月]

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